ヒートウェイヴの心意気

愛すべき山口洋率いるヒートウェイヴが、ニューアルバムを制作するにあたって面白い試みを始めた様子。
http://www.five-d.co.jp/heatwave/06album/06album.html


ここのところ山口氏は、以前所属していたレコード会社(ソニー)と音楽にまつわるさまざまな権利について戦っていた。
今のシステムでは音源の使用権利を発売元のレーベルが所有し、そのレーベルと契約し続けない以上本人でさえも自由に使うことができない、というパターンが主流となっており、そこに山口氏は疑問を抱いたと思われる。


最近はどんな名盤でも売上げが一定のラインを維持できなければすぐ廃盤になるし、ヒートウェイヴ初期の恐ろしいほどの名曲がつまったアルバムは今や中古屋やオークションで探し回る以外入手は難しい状況。
入手のチャンスが減る、ということはキッカケの入り口が減る、ということで、大きく捉えればリスナーがそれまで知らなかった曲を発見する機会が減るということ。
となると、必然的に音楽への興味の間口も狭くなるわけで、最終的には音楽文化の衰退にも繋がる事となる。
(個人的な意見だけど、仕事上色々なレコード会社と付き合っておりますが、ソニーが一番融通が利かない。業界シェアはトップなのに。80〜90年代のソニー、特にエピックは個性的で実力のあるアーティストばかりが所属しており、メディアへのアピールも先鋭的でレーベルブランドとしては本当に素晴らしかった。バブルがはじけた後あたりからポリシーが変わってしまったのか、一過性のアーティストも所属するようになり、音楽性より目先の利益を重要視する傾向がミエミエに。信用性も一気に急降下、最早ただの一レーベルにすぎない。ヒートウェイヴはそんなソニーに昔所属していたので、尚更山口氏の戦いは激しかったと想像できる)
音楽を商売にする以上、利益の追求は逃れられないが、それと音楽性を天秤にかけると必ず矛盾が生じてしまう。結局はどちらを優先するか、になるのだけれど・・・。昔のエピックはそれを上手に両立していたよな〜。


というわけで、私はこのプロジェクトに参加します。どうせヒートウェイヴの新譜が出たら絶対買うんだし。
しかしこのプロジェクトはアーティストへの信頼性が物を言う。だって、どんなに好きなアーティストでも、出来が悪かったらどうする?聴いてから金返せ!って事は出来ないからね。アーティストのファンである、という前に楽曲に対して金を払いたい、という人はこのプロジェクトは参加できないかも。
結局はここにも音楽と金の両立の矛盾が生じてしまうわけで。音楽ってやっかいだね。でも大好きだけど。


普通に流通させるより責任と期待度は大きいですぜ、山口さん。ぜひこのプロジェクト成功させて下さい。応援してます。