「フライ,ダディ,フライ」

公開終了日が明日まで、ってことで仕事帰り慌てて見に行きました。ガラガラだった、新宿トーア。
宝物の娘を暴行したコワモテ高校生に復讐すべく、普通のサラリーマンが偶然出会った在日韓国人の高校生にひと夏の格闘トレーニングを受け、復讐を果たすストーリー。
サラリーマン役の堤真一はすげー役者だ。この前までキレるIT社長を演じ、舞台では狂いまくった役どころもこなしていたけど、こんなダメダメの普通の男も演じられるとは。バッチリはまってた。
そして彼をトレーニングする高校生役の岡田准一。最近メディアに出まくってるけど、カッコイイなー。anan好きな男特集でキムタクを抜く日も近いね。今まではやさしい役どころが多かった気がするけど、今回は無口でカッコイイ。体もこのために鍛えたらしいけど、それが生きてたね。フットワーク軽く飛び回っていて、違和感なかった。時々見せる孤独顔に胸キュン、はしなかったけど、近くに座ってた女性がアップになる度にうっとりしたため息を漏らすのがウザかった(笑)。
っつーかとにかく泣いたよ、泣いた。最初堤はほんとダメダメで、疑心暗鬼で岡田にトレーニングしてもらうんだけど、そのうちに交流が生まれていく。そして協力する岡田の仲間達。彼らは外出恐怖症になっている娘を励ますために病室を訪ね(ってすごい訪ね方だったんだけど)、堤のがんばっている姿の写真等を届け、最後に赤いバラを1輪渡す。ココでまず泣いた。最初は笑えるシーンだったので、不意打ちだったー。バラ1輪にすごく優しい想いが見えてさ・・・。
みちがえるようになった堤が、いよいよ復讐する時は、きっと勝つんだろうなと思ってもドキドキした。最初ダメそうだったんだもん。相手はボクシングでインターハイ優勝、という強敵。でも岡田に教えてもらった技を使って見事打ちのめす。試合のシーンは、サラリーマンが身を乗り出してみており、勝ったときはボロ泣きしてました。うんうん、わかるわかる。私もガン泣きした。試合後娘を迎えに走る堤に「オッサン、飛べ!」と言う岡田。岡田も飛びたいと思っているけどまだ飛べてない。だから堤を飛ばせることで自分を投影してたんだと思う。両腕をのばして走る堤は物理的には飛んでなかったけど、確かに飛んでた。見た人も飛びたくなったと思う。私もしかり。ボロ泣きしてたサラリーマン、あなたも飛べるといいね。いい映画だ。
あと、脇役で注目したのが松尾敏伸。ジェントルな棒読みキャラは窪塚洋介を思わせた。っていうか窪塚がその役をやってもハマったかも。