3月18日HEATWAVE LIVE at SHIBUYA Duo

山口洋、全国をまわるソロツアーの最終日。ソロとHEATWAVEでのバンド形式の二部構成でした。


まずオープニングアクトに、山口氏と東北の一部を一緒にまわった古明地洋哉氏。
以前より凄く歌が届くようになっていて、ちょっと驚く。山口氏と一緒の時間を過ごして、何かつかんだのだろうか。アナタの歌心、バッチリ届いたよ!やるじゃん。
相変わらずMCだけ聞くと無口で暗めの(失礼!)思慮深い青年、といったイメージだけど、実は普段はよく喋る人なんだよね〜。なんか伝えたい事が常に沢山あって、こぼれだすように話す、といったカンジ。以前お話した時、イメージの違いにすごく驚いた。そのギャップを思い出してフフっと笑ってしまった。


さて、真打ち登場。山口氏。最初は1人で弾き語り。

今回素晴らしく良かったのは1曲目の「ハピネス」。いきなり声が凄く響いてきた。一発目からやられた〜。
「同じ過ちを繰り返し
 こころ安らぐ夜はない
 サッドネス 
 何一つ学ばない男」
のところで落涙。そんな自分にビビる。ブワーっと涙があふれて我慢できなかった。感傷にひたるとかではなく、真正面から指摘されたような気持ちになって止められなかった。
初めてこの曲を聴いたときもいい歌だと思ったけど、それから歳を重ねた今だと明らかに違う響き方をする事に気付いた。これは聴き手の中で熟成される歌だ。もしかすると山口氏の曲は全部そうなのかも。

山口氏は“日々生きていく中での折り合いと苦悩”を言葉で切り取るのがすごくうまい。子供の頃は自分だけの世界に没頭できたけど、大人になり、働き、報酬をもらい、沢山の人とコミュニケーションをとっていく中でふと自分を見つめた時、すべてハッピーで思い通りに事が運んでいるわけがない。嘘や反省や気まずさや後悔がブワーっと押し寄せて回収しきれなくなる時がある。
山口氏のメロディーと歌詞が一緒になったとき、聴き手を激しく揺さぶり、昇華させる。でも許しの歌ではない。明日からきっとまた繰り返す。それが多分人生ってやつで、そこにいる人達はそのやるせなさを共有できる。だから彼の歌を聴きつづけてしまうのかもしれない。「ありがとう、山口さん」と言いたくなった。

他にも「トーキョーシティーヒエラルキー」などを演奏。「NOWHERE MAN」もすごくよかった。1時間くらいやったかな?


後半はHEATWAVEとしてのバンドスタイル。やっぱ今が一番最強のバンドメンバーだよなー、つくづく。朋友・渡辺圭一(b、見た目コワー、でもカッコイイ)、池畑潤二(Dr、チョイワルじゃなく激ワルオヤジ風)、細海魚(Key、細見で長髪、後ろから見ると一瞬イイ女系)。ちなみに山口洋(Vo,G)は髪型が無造作パーマみたいになっていて、オッサンになった福山雅治みたいだった。
バンドスタイル、カッコイイ〜。山口氏も吠えまくり、あげく興奮しまくって地団駄みたいなの踏んでた(笑)。HEATWAVEは血が沸き立つような空間を作り上げていて燃えまくる。さっきまでメソメソしてた気持ちが一気に昇天しました。

アンコールでは古明地洋哉も参加。自分の曲をバンドでやらせてもらえて嬉しそう。彼の顔を見つめ続けながら演奏する山口氏。ハハ、お兄ちゃんみたい。
今回セルフカバーでリリースした新しい「NO FEAR」もやった(もちろん買った)。火が燃えさかるようなカッコイイアレンジ。いいねいいね〜。

よし、明日からもがんばろうっと。