最近見た舞台など

大人計画「まとまったお金の唄」@本多劇場

大人計画。なかなかチケット取れなかったけどD姐さんのおかげで見に行くことが出来ました。

で、印象を。なんだか「松尾スズキ名言集」みたいなものをセリフの端々に忍ばせていて、「ほほぉ〜」といった感想。細かいネタも仕込んであって笑わせまくり。オープニングの、ものすごい勢いのドタバタ大騒ぎ紹介シーン(ここでの松尾スズキは一番面白かった)は特に爆弾級の勢いがあったけど、中盤は若干たるんだか。
とりあえず阿部サダヲがかなり引っ張っていってる劇団なんだな〜と実感。彼がいなければ大分違ったものになるでしょう。
思ったほどウチワうけに終わりそうな面は見せておらず、そこは意外。次回公演も見てみたい(でもホンットにチケット取れないんだよな〜、いっつも・・・)。




地球ゴージャス「HUMANITY」@新宿コマ劇場

地球ゴージャス。元々岸谷五朗が好きでいつか見たいと思っていたので今回行ってみた。

なんといっても初コマ劇場。噂には聞いていたが食が超充実。アルコールもワインから泡盛まで取り揃え、弁当からカフェ風軽食、マンゴープリンまで置いてあってビビる。普段は公演見ながら食事が出来るらしいですね。すげえ。座席もフッカフカ、しかも凄く場内が広い!ココを何日も満席にする氷川きよしの凄さを実感した。ステージ装置もハイテク、フライングも出来るし、円形の電動装置があって何重にもグルグル回るようになっているんですよ・・・。真っ赤な緞帳も高級感たっぷりだし・・・。これは演歌のものだけにするのはもったいないですな。


しかし・・・普段小劇団とかナンセンスものばっかり見てる私には、オープニングの数十人にも及ぶ大ダンスシーンであまりの正当派ミュージカルっぷりに凄く恥ずかしくなり、まるでミュージカル嫌いのタモリのような気持ちに。結局ストーリーの世界に入り込めないまま見続けてしまいました・・・。ヒネクレモノ。
伝えたいことが沢山詰め込まれていて、しかもそれを分かりやすくみせる舞台だな、という印象。しかしモチーフの内容が若干古い気が。「会社勤めの人間は目立たぬよう過ごしていなければすぐリストラされる。皆それを恐れてはみ出さないように気をつけているがそれってどうなの?」というメッセージが大きなテーマだったのだと思うけど、今回、それを極端に描きすぎて逆に共感出来なかった。いまどきそこまでガチガチな、皆同じ思想でいなければ・・・的な体質の会社って少数派のような気がするのですが。
あとは登場人物の「子供の頃自分らしさを出すと暴力で押さえつけられた」「人の顔色ばかり伺ってる人間になっていた」的なトラウマを露わにするシーンとかも、ベタ過ぎて共感できず。うーん・・・。
中盤までは本当にキツかったけど、やっと岸谷が登場した頃からはかなり引き締まり、さすがの一言(っつっても今回脚本書いているのは彼なのですが・・・)。40歳過ぎにしては身のこなしも軽く、ダンスのターンや殺陣も決まっていたので、当たり前ながら「やっぱすごい量のレッスンして鍛えてるんだろうな・・・」と。魅せる為の努力をキッチリ行っているのが好感もてました。美味しいところはしっかり持ってってましたけどね〜(出オチは素晴らしかった。まさに出落ち・笑)。
舞台装置を存分に使った構成でエンターテインメントとしてはなかなかの舞台だったと思うけど「なぜこのタイミングでフライング?」的な強引さも否めず。
役者は豪華で唐沢寿明は数々のアドリブで会場を暖めていたし、戸田恵子はさすがの貫禄だし、高橋由美子は凄く声量があって歌もうまく驚いたが、全体としてはやっぱイマイチだったかなー。